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ためになる「住宅性能」のはなしcolumn

2021/12/31

ヒートショックは人災?!

ヒートショックは人災?! 画像

こんにちは!
安心して住み継げる家を作る実践者の大島です。

年末寒波の影響で、一段と寒くなってきました。

そんな寒い冬だからこそ知って頂きたい情報をお伝えします。

ヒートショックは人災?!

日本の一般住宅は冬の暖差リスクに注意が必要


冬の日本家屋は暖差リスクが高いので注意 冬の浴室では特に注意

あなたのお家のお風呂や脱衣場の気温って何度くらいありますか? もしかして10℃を切っているような室内温度もあるのではないでしょうか? 現に私の実家も一般的な日本家屋でしたので一度実験のため真冬に温度計測したことがあります。


その結果は

  • 外気温 3℃
  • 脱衣場 7℃
  • 寝室 10℃


この結果をご覧になってどんな感想をお持ちでしょうか?冬なんだから室内でも暖房器具がないお部屋は寒くて当たり前だと思ってませんか? その常識、世界標準で考えると非常識な現実なのです。 WHO(世界保健機構)は2018年11月に“冬の室内は最低18度以上が望ましい”と勧告しました。
 

冬の日本家屋は暖差リスクが高いので注意が必要


建築工房いろはのモデルハウスは快適性能を環境先進国のドイツレベルで建築しています。ちなみにこのモデルハウスでの実測結果もお伝えすると

  • 外気温 1.4℃
  • 脱衣場 20.9℃
  • 寝室 20.6℃

     2021/12/28 午前7時15分

このモデルハウスは実際に姫路に建っており、総合住宅展示場に出店しているハウスメーカーさん並みの価格で販売しております。

日本の一般住宅と世界基準の快適性に開きがあるのはなぜ?

なぜここまで日本の一般住宅と世界基準の快適性に開きがあるのでしょうか?その原因の一端は、私たち建築に携わる人間や建築業界の体質にあるのではないかと感じています。「お家は一生に一度の買い物」といわれるほど高価な買い物で、だいたいの方は家の購入経験は一生に一度しか経験されません。

購入経験が少ないお客様とプロとして毎日建築に関わっている売る側の私たちではどうしても購入者側のお客様が情報弱者になりやす業界といえます。こういった状況に甘んじて業界の利益優先の考え方が今の低性能で高価格の状況を生んでいるのではないかと私は感じております。

冬の日本家屋は暖差リスクが高くヒートショック現象が起きやすいので注意が必要

建築業界と自動車業界の過去50年の歩みに大きな違いが

この現実を如実に表しているのが建築業界と自動車業界ではないかと思います。今から約50年前、高度成長期に交通量が大幅に増え、交通事故で亡くなる方がピーク時に1.6万人まで増加。なおかつ燃費も悪く、今のハイブリットの車の4倍ほどガソリンを使っていました。

そこから自動車業界は1973年のオイルショックをきっかけに、出来るだけ燃費の良い自動車を作る方向に進みました。その結果2021年現在では*交通死亡事故者数は3千人を切り燃費は飛躍的に向上して、クリーンで安全な社会に貢献しています。*交通事故の死亡者は3000人を下回り戦後最少を更新(2021年1月4日発表)

では逆に建築業界はどうでしょうか? お家の快適性が低いせいでヒートショックを起こし、亡くなった方が近年でも1.7万人にのぼっています。先進国と言われている現代の日本でです。確かな調査データがないので断言はできませんが、50年前も変わらずヒートショックを起こし多くの方が亡くなっていたのではないでしょうか。

気づいた今日から今から出来ることから

冬の日本家屋は暖差リスクが高くヒートショック現象が起きやすいので注意が必要

コツコツと50年間ユーザーの為に改善を繰り返し、少しでも安全で質の高いものを作り続けた自動車業界。お客様に甘えて自己の利益を優先して改善を後回しにした建築業界。

このことは建築業界に携わっている者として真摯に受け止め、気づいた今日から今から出来ることから小さいことでも実践していこうと思っています。

これからお家の購入を検討される方は、インターネットの情報ももちろん大事ですが、実際にいろんな工務店やハウスメーカーに行ってお話を聞き、実物を体感することがとても重要だと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

この記事は建築工房いろは代表取締役大島進也が書いています。

大島進也はこんな人→大島進也のプロフィールはこちら

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