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ためになる「住宅性能」のはなしcolumn

2022/02/09

基礎断熱と床断熱ってどっちが良いのか?解説します

基礎断熱と床断熱ってどっちが良いのか?解説します 画像

こんにちは!  安心して住み継げる家を造る実践者の大島です 快適に安心して暮らし続けるために重要なお家の基礎の話をさせて頂きます。

重要なお家の基礎の話

お家の基礎の役目としては、一番にお家の屋根や床・壁を支える土台としての役目です。基礎の種類としては大きく2種類に分ける事が出来ます。

布基礎

先ず一つ目は、布基礎と言って基礎の立ち上がりのみコンクリートを使っているので床下をのぞいたら土の地面が見えています。

家の基礎 布基礎

べた基礎

それに対して床下すべてをコンクリート覆っているのがべた基礎です。一概には言えませんが一般的に比べると、強度は床下面すべてでお家を支える事の出来るべた基礎の方が強く作れることが多いです。

家の基礎 べた基礎

個別に設計士さんに相談する例

しかし、段差がある土地に建てる場合は一部布基礎で地面に深く掘り込み、支えを作る方が強度が高く作れることもあるので傾斜地やインナーガレージ・地下室を考えられている方は個別に設計士さんにご相談されることをお勧めします。

地域特性で基礎の採用が変わる

地域によってメリットデメリットが変わることがあります。例えば、私と仲の良い函館の工務店さんは寒冷地ですので“凍結深度"という寒くなっても地面が凍らない深さまで基礎を伸ばす必要があるため布基礎がベストの選択になります。

ここまでは、一般的な基礎の強度についてのお話をさせて頂きましたが、今日の本題はここからです。昔は地面が露出していた布基礎が多かったのですが、最近は耐震対策のためべた基礎が主流になりつつあります。

基礎断熱という工法

その流れから、コンクリートで覆われた空間を有効利用しようと基礎断熱という工法が生まれました。コンクリートは蓄熱容量が大きいので基礎空間で暖房する基礎断熱が最近流行っています。 実際に基礎断熱と床断熱の断熱性能を計算してみると2階建て30坪のお家では基礎断熱の方が半分ほどの熱損失になりました。

シロアリのリスク

この点を考えると基礎断熱が圧倒的にいいね!となるのですがここで考えておかないといけないのがシロアリのリスクです。基礎断熱は基礎の立ち上がり面に断熱材を直接貼り付けますのでコンクリートと断熱材の引り付いている面は絶好のシロアリの通り道になる可能性があります。このシロアリの道を蟻道と言います。 シロアリはお家の土台や柱など耐震性にとって重要な部分を食べる怖い虫ではありますが光にはすこぶる弱く、基本光の当たっている所では生きられません。ですので、自分の体を光から守るために蟻道というトンネルを作りながら目的地の食べ物(土台や柱)まで進んでいきます。

シロアリのリスク

多くの基礎断熱を採用されている工務店さんでもシロアリの被害が怖いため基礎の内側のみに断熱材を張り付ける方法を採用されています。 それでもシロアリは0.2㎜の隙間があれば通り抜けれると言われてますのでコンクリートの打ち継ぎ面やセパレーターという基礎の部材の隙間からでも侵入しいてきます。その小さな隙間が基礎断熱との接地面にあればどうなるでしょうか? 床下に潜り定期的な点検をしても基礎に断熱材を張り付けているので被害が発生していることに気づかず、床や壁がきしみだして初めて被害に合っていることを知ることになりかねません。

効率的に快適な住宅を手に入れることも重要ですが、その快適性が末永く安心して続くことがより重要だと私は考えています。 では、具体的な対策をお話させて頂きますと

  1. シロアリの侵入経路を塞ぐ
  2. 点検が出来るように基礎の内側に断熱材を張らない
  3. 快適性を高めるために床もダブルで断熱する

この3つをしっかり対策すればシロアリにやられるリスクを極限まで抑え、床面は床暖房を使わずに足元が快適な住宅を手に入れて頂くことが出来ます。

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この記事は建築工房いろは代表取締役大島進也が書いています。

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