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ためになる「住宅性能」のはなしcolumn

2024/03/07

耐震・免震・制震の違い、知っていますか?

耐震・免震・制震の違い、知っていますか? 画像

こんにちは!建築工房いろはの大島です。

2024年は1月1日から能登半島地震があり、

日本列島に多大な被害と、建築業界には大きな波紋が広がりました。

今までも耐震に対して意識の高いお客様はいらっしゃいましたが、あの地震を機に、

今から家を建てようとお考えの方の意識がさらに高まった…そんな風に実感しています。

そしてよくお客様からお聞きするのが

「木造建築は地震に対して脆弱なのでは?」という不安のお声です。

今回の地震で石川県だけでも、

半壊してしまった住宅が約9460棟、全壊が約7459棟というデータが出ており、

そのほとんどが木造住宅ですので不安を抱く気持ちも無理はありません。

しかしながら、木造住宅=脆弱とも言い切れないので、今回はあえてコラムにしました。

ぜひ、耐震に関する正しい知識を身に付けていただき、新築にお役立ていただけると嬉しいです。

耐震・免震・制震

引用元:https://www.kintetsu-re.co.jp/libook/detail/39

よく耳にする耐震・免震・制震という3つの“震”。

まずはこの違いについて説明します。

耐震

耐震というのは、私たちが今実際に家を建てる際に行っている構造です。

具体的には、筋かいを入れたり、耐震面材という板形状のものを壁に貼り付けたりすることで

“家そのものの強度を高める”というものです。

お家を強くすることで地震に耐える、だから耐震です。

制震

制震は、建物の中にいわゆるクッション材になるものを入れ、地震の揺れを軽減します。

制震部材は大きく分けて2種類、①油圧ダンパー系 ②ゴム系 があります。

揺れを耐えるのではなく、振動を吸収することで揺れを軽減する仕組みです。

免震

建物と地面を切り離し、地震の力を受け流すのが免震です。

具体的には、建物と基礎との接地面にゴム状の特殊な装置を設置します。

この構造上、高層ビルなどの大きな建物でなければ地面と切り離すことが難しいため

現代の一般住宅にはほとんど使われていません。

今後は制震に注力

建築工房いろはでは、今までは耐震対策は行っていましたが

今後新たに制震に注力することを試みています。

ダンパーは多種多様ありますが、その中でも有名なのが油圧ダンパー系「エヴォルツ」です。

ビルシュタインという車のためのショックアブソーバーを活用したもので

小さな揺れから効果を発揮するといわれています。

しかし、一見優れていそうなこちらにも懸念点があり

揺れを吸収するダンパーに入ったオイルが、住宅の寿命年数である30年、40年という長い年月の間で漏れないかということです。

ゴムの制震部材で一番メジャーなのは、住友ゴム工業株式会社の「ミライエ」。

一度は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

こちらは制震部材の中に高性能のゴムが内蔵されていて、

劣化スピードが非常に遅いといわれています。

メーカーさん曰く、「90年のメンテナンス」なんだとか・・。

さらに、2016年の熊本地震でも被害が大きかった地域に、このミライエを搭載しているお家があり、

実際の効果が実証されているというのもポイントです。

現時点で「ミライエ」をはじめとしたゴム系ダンパーのほうが良さそうに見えますが、

もちろん油圧ダンパーにもメリット、デメリットがあります。

だからこそ、今後もデータを収集し、よりお客様にとっていい商品をご提案できたらと思います。

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