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ためになる「住宅性能」のはなしcolumn

2022/08/21

快適な家づくりとは ~基礎知識編~

快適な家づくりとは ~基礎知識編~ 画像

こんにちは!建築工房いろはの大島です。

日々、“快適な家づくり”をモットーに、知識の習得やデータ分析、

そしてそれを実践に生かした家づくりを行っています。

先日は、家づくり学校姫路校さんにお招き頂き「家づくりセミナー」の講師を務めさせていただきました。

  1. 快適な家づくりの基礎知識
  2. 快適な家づくりの空調
  3. 快適な暮らしとエネルギーマネージメント
  4. 家づくりの要望ランキングから見えること

大きく分けて以上4点について、たっぷり2時間お話させていただきました。

この記事では、そのセミナーでお話しした内容を基に

「快適な家づくりの基礎知識」についてお伝えしようと思います。

断熱性能

防音性や透湿性を一緒に考えがちですが

「断熱性能」とは、「断熱材の熱伝導率×厚み」のことです。

※数値が小さいほど性能が高い

種類は大きく分けて3種類あり、鉱物系、石油系、自然系に分類できます。

例えばこの表を見ると

熱伝導率は石油系に属する「フェノールフォーム」が最も熱伝導率が優れていることが分かります。

・・が、注意すべき点は、U値そのものは“断熱材の厚み”で決まるということです。

100mmのグラスウールと50mmのフェノールフォームは、

ほぼ断熱性能が同じとなるので注意しましょう!

特長 欠点
グラスウール 一般的に使用されており、性能もまずまず。 施工が難しい
フェノールフォーム 外張り断熱によく使用される。 継ぎ目に注意が必要
セルロースファイバー 現場で充填するため、充填率が高い。 断熱材そのものの性能が比較的低い

それぞれに、どんな場所で使われることが多いといった特長や

施工における欠点があります。

弊社は、透湿性や防音性など、“単純な断熱性能”以外の性能にも優れた

自然系の「セルロースファイバー」を使用しています。

断熱性能とは、壁だけではありません。

天井、床、窓などにもそれぞれ断熱性能を示す「U値」があり、

よく聞く「UA値」とは、壁・天井・床・窓それぞれのU値の平均値です。

算出されたUA値から「断熱等級」が分かります。

等級4

UA0.87

等級5

UA0.6

等級6

UA0.46

等級7

UA0.26

2022年10月からは、「等級6」と「等級7」が新たに追加されます。

新しい基準ができると、補助金などが出る可能性が高いので

個人的には最高等級の7を目指していくのが良いかと思います。

気密性

家の大きさに対して、どの程度の隙間があるかを表す指標が「気密性(C値)」です。

※数値が小さいほど性能が高い

前述の断熱性能がいくら高くても、家中に隙間があれば、本来の断熱性能が発揮されません。

高い気密性があってこそ、高い断熱性能が保たれるので、

このC値もとても重要です。

気密性能は換気性能ととても強い関係性があります。

この表を見て分かるとおり、C値が5.0の場合と2.0の場合では

換気性能はそこまで違いがあるように感じませんが・・

C値1.0以下になると、換気性能がぐっと変わります

だからこそ、C値については1.0とは言わず、

「0.5以下」を目指すのが理想と考えています。

厳密に言うと、建築業界において「C値1以上の住宅でないと建てられない」といった基準がありません。

さらに言うと、C値は机上で計算することができず、

現場で専用の機械を使って測定するしか方法がないため

大手建築メーカーを含めて、測定をそもそもしていないところや、全棟ではなく抜き打ちで実施しているところもあります。

弊社は、納得がいくまで何度でも。

1回だけの数値ではなく、3回測定した数値の平均値を算出するという厳しい条件にもかかわらず

最近では「0.1」などの高い数値をたたき出しています。

湿度

快適な暮らしには欠かせない湿度のお話です。

一般的に〇〇%と表されている湿度が「相対湿度」です。

冬に湿度計を見ると「5℃ 80%」と表示されているにもかかわらず、

そこまでじめっと感じない・・なんて日はありませんか?

それは、「絶対湿度」自体がそこまで高くないから。

つまり、快適性の鍵を握っているのは「絶対湿度」というわけです。

冬になると多くの方が悩まされる結露。

結露とは、箱(住宅)からはみ出た水分が水滴となって窓ガラスなどに付く現象です。

温度が低いほど、空気中に含むことができる水分量「飽和水蒸気量」が少ないため、

気温が低い冬のほうが結露が発生しやすいというわけです。

逆に、一年中、家の中の気温が一定であれば

飽和水蒸気量も一定なので、結露が発生しにくいとも言えます!

壁の結露よりも恐ろしいのが「壁の内部での結露」。

壁の表面上に水滴がつく結露は、水滴を拭けば解決しますが、

壁の中となるとそうはいきません。

設計段階で、壁の内部に結露が発生しないような計算シミュレーションをすることが重要です。

難しい話も多かったと思いましたが、いかがでしたでしょうか?

分からないこと、詳しく知りたいことなどがありましたら

お気軽にご連絡くださいませ。

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