徹底解説「香寺の家」構造見学会の見どころポイント
こんにちは。建築工房いろはの大島です。
先日の8月7日(日)、「香寺の家」の構造見学会を開催しました。
ご来場の皆様、ありがとうございました!
急なご案内だったにも関わらず、満員御礼で感謝ばかりです。
さて、ご来場いただけなかったお客様へも
構造見学会を体感していただきたいと思い、ブログでも簡単にですが構造見学会のレポートを報告したいと思います。
今回の構造見学会の注目ポイントは大きく分けて4つです。
- W断熱
- 高気密の秘訣
- 腐らない木
- 全館空調システム
それぞれについて詳しく解説していきます。
1.W断熱
構造見学会当日は、まだ外壁に仕上げ材でコーティングしていない状態でしたので
ご覧の通りの見栄えとなっております。
お施主様のご希望はガルバニウム仕上げでしたので、
内側から順に「セルロースファイバー」→「40mmの断熱材」→「仕上げ材(ガルバニウム)」で仕上げるW断熱構造となります。
建物内に入ると、セルロースファイバーの施工が終わっていることを確かめていただけます。
壁はもちろんですが、実は床もW断熱になっており、
100mm、25mmと厚みの違う断熱材を使用しております。
これは、最近はやっている「床下エアコン」のような“基礎断熱”ではなく
“床下断熱”という仕様となります。
こちらは、シロアリに対してもメリットが大きいのも特長です。
ネット上ではよく「セルロースファイバーの垂れ下がり」という問題点が浮上していますが、
弊社ではそうならないように、55kg~65kgという規定の圧力でいれているのがポイントです。
もちろん規定の圧力以上で入れることもできますが、
そうすると、断熱材本体の中の気密が高くなり、空気の量が減ってしまい、断熱性能が下がるリスクがあります。
また、
セルロースファイバーを湿気が通った際に、壁の中が露点温度にならないような個別計算もしっかりしているのも
セルロースファイバーの垂れ下がりを引き起こさないための重要ポイントです。
2.高気密の秘訣
弊社が建てる住宅は、工事中に気密測定を2回させていただき、
測定値の3回平均がC値「0.13」で最高数値はC値「0.1以下」の数値がでるような高気密住宅に仕上げていきます。
そのため、空気が逃げやすい引き違いの窓はなるべく減らすような工夫もしております。
細かい部分では、最終的にカバーが付いて見えなくなるコンセントカバーの部分も
細いダクトで外とつながっているため、家の外側で気密性を高める施工を行っています。
3.腐らない木
ご覧の通り、柱は緑色の木材を使用しています。
こちらの正体は、50年以上の耐久性を持たせるために薬剤を加圧注入した“腐らない木”です。
腐らない木を使っているため、木自体は50年、60年ともちますが
意外と落とし穴となるのが、耐震補強のために使用する金具のサビです。
弊社では金具がサビて老朽化しないように、亜鉛メッキ加工+樹脂加工を施した耐力のあるものを使っています。
4.全館空調システム
室内の空調は、右手にある大きな熱交換パイプから
左に続く室内エアコンを通って、各部屋に空気を送ります。
2階の空調はまだ完成していませんが、
構造見学会当日は、2階にあるこのパイプから6畳用のエアコンのパワーだけで
31.56坪のお家を26℃という快適な温度に保っていました。
たった2,200ワットほど冷房能力で家全体を26~27℃に保てたら、すごく省エネですよね。
また、今回のこちらのパイプは、本来空調として使用するものではないので施していませんが
もし空調としてこういったパイプを利用する場合、
このパイプをカバーリングしないと、パイプ自体が結露を発生させ、屋根裏で多湿状態となります。
そういった見えない場所も、ぜひチェックしてみてください。
“家の構造部分”は、完成してしまうと目では確かめられない部分です。
ですが、家の耐用年数を決定するのも、暮らしやすさを左右するのも構造です。
ぜひ家づくりを考えられている方は、構造にも注目してみてください!
分からないことがありましたら、問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせくださいませ。